ISBN | 978-4-87571-085-1 |
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書籍コード | 85 |
判型 | 4/6版 上製本 |
頁数 | 576 |
定価 | 2,860円(税込) |
主人公の女画家イレインが回顧展を開催するためにふるさとトロントに戻るところから、回顧展が終了しヴァンクーバーへ帰るまでの期間が作品の設定である。アトウッドは幼少時代をケベック州北部で過ごしたが、その時の体験は彼女のどの作品にも色濃く反映されており本作も同様である。少女時代に恐怖のいじめを受け、自分が無価値で無意味な存在と思い込まされたトラウマを絵画に表現することでサバイバルをはかり、憎しみの呪縛から自分自身を救い出していく画家半生の物語。完成までに四半世紀を要したという本作はアトウッドの自伝的要素が強いと考えられている。追憶によって現在と過去が共存するようになり、読後に読者の胸に深い余韻を残す。
書評:「朝日新聞」2017年2月19日
「図書新聞」2017年3月4日
「週刊読書人」2017年3月10日