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ポストモダン・アメリカ―― 一九八〇年代のアメリカ小説
安河内英光・馬塲 弘利 編著

 八〇年代アメリカは、しばしば「レーガンのアメリカ」と呼ばれる。ベトナム敗戦、ウォーターゲイト事件などによって、世界の信頼が失墜したアメリカは、レーガン大統領の政治スローガン「強いアメリカ」によって、国家としての威信の回復をねらった。また社会的には、ポスト構造主義思想とカウンターカルチャーがもたらした差異や多様性を認めるポストモダン文化によって、アメリカ社会は多文化主義的になり、ボードリヤールやジェイムソンが指摘するようなポストモダン消費文化は全米に広がった。
 この時代のアメリカ小説は、ニュー・リアリズムの小説、ニュー・ロスト・ジェネレーションの小説、ポストモダン小説、マイノリティの小説、と多様な広がりを見せる。
 本書は一一篇の小説を取り挙げて、八〇年代アメリカ文学の特徴を浮き彫りにすることをめざす。

ISBN 978-4-87571-054-7
判 型 4/6版 上製本
頁数 354ページ
定 価 3,024円(税込)
刊行年 2009年12月


日本図書館協会選定図書

 目 次

<ニュー・リアリズムの小説>
レイモンド・カーヴァー 『大聖堂』――幽閉する日常性 安河内英光
ボビー・アン・メイソン 『イン・カントリー』――ジェンダーと歴史を巡って 馬塲弘利
ジョン・アーヴィング 『ホテル・ニューハンプシャー』――夢見る力の功罪 高橋美知子
リチャード・フォード 『スポーツライター』――リアリズムの政治的含意
グレッグ・ベヴァン (渡邉真理子訳)

<ニュー・ロスト・ジェネレーションの小説>
ブレット・イーストン・エリス 『レス・ザン・ゼロ』――世紀末アメリカの道徳価値と情動
スコット・ピュー (下條恵子訳)

<ポストモダン小説>
ポール・オースター 『ムーン・パレス』――フロンティアにおけるアイデンティティの更新性 下條恵子
ドン・デリーロ 『ホワイト・ノイズ』――黄金時代へのポストモダン的回帰 下條恵子
リチャード・パワーズ 『舞踏会へ向かう三人の農夫』――視線と時空が交差する地点 永尾 悟
スティーヴ・エリクソン『ルビコン・ビーチ』――「魂のドラマ」と幻視される「西」 井崎 浩

<マイノリティの小説>
アリス・ウォーカー 『カラー・パープル』――新たな神の発見 酒井三千穂
ルイーズ・アードリック 『ラブ・メディスン』――文化的アイデンティティを巡る物語として 徳永紀美子